2019年1月17日木曜日

エミレーツ受験記 二次試験(Assessment Day)編



パレスホテル側からのブルジュカリファ



エミレーツ二次試験(Assessment Day)の概要


この日は一日を通じてアセスメントが数ステージ用意されています。
それぞれのステージが終わる毎に合否が発表され、合格者のみが次ステージへ進み、不合格者はその場で泣く泣く帰されるという、サバイバル的な一日です。
ステージ毎に受験者がどんどん減っていき、ストレスフルでありながらも、なんだかゲームのようなドキドキ感がありました。
ただ、無事最後まで生き残れた(?)場合、とても長い一日になります。
待ち時間も含めて、とにかく長いので覚悟しておきましょう。
私が受験したときは朝8:00に会場集合、無事最後のステージまでクリアし解散したのは夜20:00でした。

内容は以下の通りです。
  1. オリエンテーション

  2. グループワークとアームリーチ

  3. 英語テスト(筆記・口頭)

  4. グループディスカッション

朝の時点で集まった受験者は約70-80人でした。仮に一次試験(Initial Screening)を本当に1000人が受験していたとしたら、1000⇒70・・・すごい倍率ですね。

3人1組で一緒に面接を受けた子たちが私を含めて全員受かったので、てっきりもっと合格者が多いものだと思っていました。
さすがに、前回よりも更に選りすぐりの面々が揃っている様子で、会場の緊張感も段違いでした。

面接官は、一日を通じてエミレーツのリクルーター2人が全体進行と選考を全て取り仕切っていました。その日はレバノン人とオーストラリア人の元女性クルーでした。ちなみに最終面接を担当するのも同じ2人なので、この日に積極的に話して慣れておくといいです。エアリッジの方はいませんでした。

また、この日も選考は全て英語で行われます。グループワークも受験者が全員日本人だったとしても日本語で話すことは厳禁で、全てのやりとりが英語です。


それでは各ステージ毎に詳細を紹介します。


オリエンテーション


まず最初はオリエンテーションです。いわゆる会社説明会です。
会場のスクリーンにエミレーツの魅力やドバイでの楽しいクルー生活に関するビデオが映し出され、受験者はここでより一層夢を入社への夢を膨らませます。

質疑応答もあるので、何か聞きたいことがあれば積極的に手を挙げて質問すると、良いアピールになる・・・かもしれません。

「○○と申します、私はxxエアラインに勤めていた経験があるのですが・・・」
という前置きでちゃっかり自己アピールしながら質問している人もいました。

私自身はこういったあからさまなアピールをすることがどうも得意ではないのですが、ここは目立った者勝ちです。良い印象を残せる自信がある人は、こういうチャンスも活用していきましょう。

特に外資に入社すると、周りとの調和ももちろん重要ですが、同時に自分を積極的に売り込んでいくことができないと損してしまいます。比較的謙虚な日本人的には違和感をもつかもしれませんが、日本を出るとそれが普通の文化だったりするので、「あいつがめついな」と思われたりはしません。むしろ、他人から何と思われようと自己を貫くふてぶてしさも必要なのです。


・・・少し脱線してしまいました。




グループワークとアームリーチ


グループワークの内容

さて、ここからが選考本番です。20人ほどのグループに分けられて大きな輪を作り、隣りの人と2人1組のペアになって課題に取り組み、その後グループ全体に向けて発表します。

この日出た課題は
  1. お互いの情報を聞き出し合い、他己紹介をする
  2. ペア毎に与えられたお題のアイテムについて、その機内での用途を複数挙げる
でした。

2.の課題がなかなかユニークでした。お題のラインアップはクルーが普段使うアイテム 鏡、帽子、靴 等で、ランダムにペアに割り当てられます。
私たちに与えられたお題は「赤い口紅」でした。
一般的な用途以外の用途を考えるように指示があったので、私たちは

「お化粧以外に、エミレーツの赤い制帽が汚れてしまったときに上から塗ってシミを隠したり、口紅ケースの中に針を隠して、いざというときに武器にできます。」

・・・というようなことを発表しました。(恥) いや武器ってなんやねんとかいう突っ込みはなしでお願いします。
ちょっとあまり現実的とは言い難い、稚拙な回答ですが。限られた時間内で苦し紛れに思いついた内容でした。

でもここでは回答内容というより、初対面の人といかに協力できるかを見られていたように思います。
実際入社するとフライトを一緒にするメンバーは毎回違うので、ほぼ全員が初対面です。そのような状況でどう協力して良い結果を導き出せるかというのは大きな評価ポイントとなります。また、発表の際は皆の前で立って発表するので、その際の姿勢(声の大きさ、アイコンタクト、自信を持って発言できているか)も見られていると感じました。

そして今思えば、課題設定自体も、入社後の乗務を想定したものとなっています。実際フライトをすると、機内に限られたリソースをクリエイティブに活用して問題解決しなければならない場面が沢山出てきます。ペアでに思いついた内容が完璧でなかったとしても、既定の概念にとらわれない柔軟な発想(英語では "think out of the box" と言いますね)をできる/しようとする姿勢は高く評価されるでしょう。


アームリーチ

グループワークで皆がわいわい課題取り組んでいる間、1人ずつ呼ばれて同じ部屋内でアームリーチをします。つま先立ちで212cmに届けばOKです。
私が受験したときはアームリーチの規定だけで身長について特に制限はなかったのですが、最近は募集要項に「身長160cm以上」と明記されていますね。
160cm以上ある人なら212cmは普通に届きます。


結果発表!グループワークの通過率は・・・

待ち時間の後、合否がその場で発表されます。合格者の受験番号がホワイトボードに貼り出されました。ここではあまり脱落者は出ず、確か帰されたのは15人ほどでした。残った人は次のステージである英語テストに進みます。




英語テスト(筆記・口頭)


筆記テスト

70分の英語のテストで、穴埋めや語彙の等、TOEICのような問題ですが、TOEICよりやや易しいと感じました。英語を得意としている人なら問題なく解けるはずです。
逆にこのテストで手こずるようであれば、入社してからオール英語の環境で仕事するのは厳しいです。
ただ、会話は得意でも読んだり書いたりが苦手、という人もいるので、そういう人はしっかり読み書きの対策もして下さい!TOEIC対策で十分です。


口頭テスト

皆が筆記テストに取り組んでいる間、1人ずつ部屋の隅に呼ばれて口頭テストがありました。
英語200単語程度の記事を渡され、音読させられます。全て読み終わった後、内容を自分の
言葉で要約するように言われます。
これもそれほど難易度は高くないので、緊張するかもしれませんが落ち着いて取り組みましょう。
アナウンサー試験ではないので、多少躓いたり噛んでしまっても問題ありません。
音読・要約共に、相手にわかりやすい英語を話せているかが鍵です。


結果発表!英語テストの通過率は・・・

待ち時間の後、また合格者の番号が発表されます。
ここで驚きだったのは、なんとここでほぼ半数が脱落してしまったということです。

先に言ってしまうと、この後のグループディスカッションではほとんど脱落者は出なかったので、結果的にこの英語テストがこの日の最難関ステージとなりました。これは私としてはかなり意外でした。

英語は勉強すれば確実に上達するものなので、ここで落とされてしまうのは本当に、本当にもったいないです。とにかく英語が苦手な人は勉強しましょう。逆に言えば、他に突出した能力がなくても英語さえ得意であれば外資(エミレーツ)は受かる可能性大です。私自身が良い例でした。
とにかく英語はがんばりましょう!


以前も書きましたが、オンライン英会話 は心の底からおすすめです。
私もエミレーツ受験前~内定してからも入社までの数か月、オンライン英会話のおかげで話すことへの自信を取り戻すことができました。
何よりも安いし、数をこなして練習したい、自信をつけたい人にはもってこいです。講師にお願いすれば面接対策もしてくれます。各社の無料体験を使わない手はないですね。色々と無料で試して、好きなところで続ければいいんです。合わなければ体験レッスン後やめればいいし・・・


「いつやるの?」「今でしょ!」

(海外最終のため、仕入れている日本のネタが古い点は多めに見てください・・・数年前からアップデートされてません)





グループディスカッション


グループディスカッションの内容

この時点で残っていたのは30人弱。受験者は約15人ずつ2グループに分けられて輪になり、各グループにリクルーター1人がつく形でグループディスカッションが始まりました。

お題は、

「あなたは豪華客船の予約担当者です。システムエラーによりオーバーブッキングが発生してしまいました。次の乗客リストのうち誰を降ろすか、グループ全員で話し合って決めてください。
乗客リストは、①ハネムーンカップル ②有名セレブ ③孫と初旅行の老人 ④得意先の旅行代理店・・・etc」


というような内容でした。若干違っているかもしれませんが大体こんな感じでした。


何を隠そう私はグループディスカッションが大の苦手です。遠慮してしまって発言するタイミングがうまくつかめず、新卒で就活(エアラインではありませんが)していたときも苦労しました。

当日、私のグループでは

「私が議長をします。」「では私がタイムキーパーをします。」

とすぐに名乗り出てくれた人がいて、仕切り始めてくれました。いかにも日本的だなぁと思いながらも、助かるな・・・でもこういうふうに率先して場を仕切れる人が評価されるんだよなぁ・・・しまった出遅れたなぁ・・・等内心色々と考えていました。

議長の仕切りのもと、結局は順番に意見を出して行きましょう、ということになり、端から順番に意見を出していきました。
15人ぐらいが淡々と順番に発言していくので、ディスカッションという感じはしませんでしたが、最後の方になるにつれ、なんとなく回答がまとまってきたので、最終的に答えを出すことができました。
正直、ディスカッションで答えを出したというより、日本人特有の「空気を読む力」で意見がまとまったような感じでした。

そして最終手的に代表の人が意見を発表した後、リクルーターから

「では、私が降ろすことになってしまった乗客だとして、どのように対応するか見せて下さい。」

と言われました。ロールプレイです。

ここでも一人ずつ順番に発言していきました。だいたいみんな、誠意をもって謝罪の言葉を述べ、今後の対応について説明していました。似通った内容で、特別ユニークな対応をした人は私のグループにはいませんでした。



結果発表!グループディスカッションの通過率は・・・

グループディスカッションとしては不完全燃焼な感覚がありましたが、なんとここでも無事通過することができました。むしろ、このステージで脱落した人はわずか数名で、ほとんどの人が通過となりました。

自分自身も特別気の利いた発言をせずとも合格できたので、ここでも発言内容というよりは、全体の雰囲気、他の人の話を聞く姿勢や、グループとして協力しようとする態度を見られていたのだと感じます。
私は自分から議論に飛び込んでいくのは苦手な分、人の話はきちんと聞くように意識していました。それをアピールするため、ありきたりですが、他の人の発言中は「うんうん」と頷きながら聞いたり、自分の発言のときも「○○さんが仰ったように・・・」等、他の人の発言を引用しながら自分の意見を加えて述べる等の工夫をしていました。



いよいよ最終面接(Final Interviewへ)


さて、ここまでがこの日のアセスメントです。
最後まで勝ち残った受験者は25人ほどだったと思います。この25人が最終面接(Final Interview)へ進みます。
最終面接に向けて提出書類の説明があったり、事務手続きをして、翌週に用意されていた数日間の日程の中から面接日時を予約してから、解散となりました。


ちなみに、スクリーニングを一緒に受けた3人組は全員最終面接に進むことができました!
他にもペアワークで一緒になった子も最後まで残って、仲良くなったので連絡先を交換しました。この日に何人かと連絡先交換しておくと、この後の最終面接~入社までで色々と情報交換ができるので是非しておきましょう。一日を通して待ち時間等もたくさんあるので、自然と周りの受験者とそういう空気になると思いますが。



続きます。


 

◆今日の1枚

先日は影だけだったので。ドバイのランドマーク、ブルジュカリファです。





「英語を制する者はエミレーツを制す!」
これ本当です。英語が苦手な方は本当に頑張ってください。正直それが何よりの近道です。




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